建物には、用途や規模などによって違いはありますが、様々な設備が設置されています。エアコン・照明・水道・トイレ・エレベーター・火災報知器など様々ありますが、これらは全て建物の利便性や快適性、安全性を高めるために備え付けられた設備であり、常に最良の状態に維持し、効率的に運転をする必要があります。「設備管理業務」は、設備の日常的な管理や定期的な保守点検を行い、建物の”当たり前”の快適さを維持していくとても重要な業務です。私ども関ビルでは、経験豊富な技術者や有資格者が多数在籍しており、各種法定点検(※1)の他、建物の用途や利用状況に合わせた最適な管理プランをご提案させて頂いております。
※「法定点検」・・・建物に設置されている設備は、正常に作動しなければ利用者の方の安全を損なう恐れがあるため、建築基準法をはじめとした各種法令で点検・整備が義務付けられているものがあります。代表的なものとしては、昇降機(エレベーター・エスカレーター等)・消防設備・受変電設備の点検などがあります。
電気設備
電気設備とは、電気に関する設備の総称で、受変電設備・照明設備・非常用発電設備・蓄電池設備・電話設備・通信設備などの他、非常に多くの種類があります。建物内の設備のほとんどは、受変電設備で受電した電気によって作動し、また、災害時など停電が起きた際は、在館者の身を守るため非常用の自家発電設備や蓄電池設備によって防災設備を作動させます。電気設備は、設備を動かすエネルギーである電気を供給する設備であるため、建物内において非常に重要な役割を担っています。そのため、従事する者には専門の資格が必要となり、各種法定点検が定められています。
空気調和設備
空気調和設備(空調設備)とは、室内空気の温度・湿度・清浄度・気流を管理基準値に調整するために必要な設備のことをいいます。熱源設備(※1)・熱運搬装置・空気調和機・自動制御設備などで構成されており、熱源設備の運転には専門の資格者が必要となります。空調の方式は、熱源設備を中央機械室に設置して空調管理を行う中央方式と、パッケージ型空調機(※2)を各室・各ゾーンに設置して空調管理を行う個別方式に大きく分かれます。中央方式は大中規模の建物に適しており、個別方式は小規模の建物に適していますが、最近では個別空調の性能やバリエーションが増え、延べ床面積が10,000㎡を超える建物においても、個別方式が採用されるケースが出てきました。
空調設備においては、各種法定点検が必要となる他、特定建築物においては空気環境測定(※3)の実施や空気清浄装置・加湿器などの管理について、ビル管理法に定められています。
※1「熱源設備」・・・電気・ガス・石油などを用いて、空調設備で使用する熱媒・冷媒(空気を温めたり冷やしたりするための冷温水・蒸気などのこと)の製造・蓄熱・調整をして空調機へ供給する設備のこと。ボイラー・冷凍機などは熱源機器と呼ばれ、熱媒・冷媒を製造する主要機器です。
※2「パッケージ型空調機」・・・熱源装置・送風機・エアフィルター・自動制御装置をひとつのケースに組み込んだ空調機のこと。いわゆる「天カセ(天井カセット型)」と呼ばれる空調機はこのタイプです。
※3「空気環境測定」・・・詳細は「環境衛生業務」をご参照ください。
給排水設備
給排水設備とは、建物及び敷地内で使用する水やお湯を供給し、使用した水を衛生上問題が起きないよう排水する設備のことです。貯水槽・貯湯槽の清掃、水質検査、排水槽清掃、排水管清掃、各種給排水ポンプの点検など様々な管理項目がありますが、管理状態が悪いと雑菌や害虫が発生し、建物利用者の健康を害してしまうため、特定建築物においてはビル管理法によって様々な管理基準が定められています。
※1・・・詳細は「環境衛生業務」をご参照ください。
消防設備
消防設備とは、建物の利用者・居住者を火災から守るための設備です。建物の規模や用途によって違いますが、消火設備(消火器・屋内消火栓・スプリンクラー等)、警報設備(自動火災報知設備・非常ベル等)、避難設備(避難はしご・誘導灯等)の他、様々な設備があります。非常時は停電になる恐れがあるため、停電時にも消防設備に電気が供給されるよう自家発電設備や蓄電池設備も設置されています。消防設備は、いざという時に作動しないと大災害になるため、有資格者による年2回の点検が消防法により定められています。
昇降機設備
昇降機設備とは、エレベーターやエスカレーターなどに代表される、人や物を上階下階に運搬する設備のことです。昨今は高層の建物も多く、なくてはならないとても重要な設備ですが、故障や事故があると人命にかかわる大惨事となるため、安全性の確保には特段の注意が必要となります。
昇降機には年に1回の法定点検が義務付けられていますが、ほとんどの建物では毎月点検を行い(リモートでの点検を含む)、利用者の方々の安全な利用環境の確保に努めています。